脳神経外科 ふくおかクリニック

どんな病気をみてくれるの?

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痛みが徐々に強くなったり後頭部が痛む方頭痛

頭痛は日常的によく経験される症状の一つです。しかしながら日常の生活の質に影響を及ぼし、支障をきたすことで、看過してはならない疾患と考えます。また、ときにくも膜下出血、脳腫瘍など放置すると生命にかかわるこわい頭痛があります。これらを正確に診断して、治療方針を迅速に決定することが何より大切と考えております。

一次性頭痛
緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭部を締め付ける感じ、後頭部に重苦しいような圧迫感や痛みが起きる頭痛です。肩こりや首のこりが原因となることが多く、スマホを長時間使うことや、デスクワークが多かったり、睡眠不足などがきっかけになります。このような緊張型頭痛は頭痛全体の中で約6割を占めており、一番多く認められるものです。持続時間は短時間から一週間ほど続くこともあります。痛みには市販薬などの痛み止めや頭痛薬が有効ですが、飲み過ぎると薬物乱用頭痛になる危険性もあることから、日常生活の中での予防が大切で、軽い運動やストレッチ、入浴などで血行をよくすることが有効です。

片頭痛

頭が脈打つようにズキンズキンと痛くなり、程度はやや重く、動作により悪化するといった特徴を持っています。光、音、においなどの変化に敏感になるのが特徴です。頭痛以外に吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。このために、頭痛が起きたときには、暗い、静かな部屋で寝込むという症状は緊張型頭痛にはみられない特徴です。痛みの持続時間は数時間から、長いと3日間続くこともあります。さらには頭痛が起こる前に閃輝暗点といった典型的な前兆がある人、めまいを伴う人もいます。女性の場合は、生理の初めまたは排卵の時期に多く発症します。遺伝することも多く、女性に多い疾患であることから、おばあちゃん、娘さん、お孫さんと3代続けて片頭痛でかかられている家族の方もいます。片頭痛を引き起こす要因としましては、ストレス、天気が悪い、寝不足、寝すぎなどかあります。治療としては、軽度の場合は、消炎鎮痛薬で様子を見ますが、寝込むほど痛みの場合は、トリプタン系の製剤を使用します。これは、片頭痛の原因が三叉神経からの刺激物質により、脳の血管拡張が起きるにことによるもので、拡張した血管を収縮する作用があるトリプタン系の製剤の頓服による服用(または皮下注射)により大きな効果が得られます。さらには頭痛の頻度が多い、または回数は多くはないが痛みの程度が日常生活に支障をきたすほどかなり強い方には予防薬の服用をお勧めしております。これにより痛みの回数が減り、1回1回の痛みの程度の軽減が得られます。ただ即効性がないことも多く、1~3ヶ月の間、効果が出てくるまで見ていただく必要がございます。現在、予防薬の服用でも十分な片頭痛のコントロールが得られない方にCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体薬(または受容体拮抗薬)の注射による治療があります。これは、三叉神経から放出されるCGRPが脳血管の受容体に作用することにより脳血管を拡張させて片頭痛を引き起こすことから、CGRP抗体薬(または受容体拮抗薬)投与によりが血管拡張をブロックすることにより、片頭痛の発作予防にきわめて有効であります。現在3種類の注射薬がございますが、将来的には、 CGRP受容体拮抗薬の経口で飲める錠剤(ゲパント製剤)が数年後には使用可能になるでしょう。

群発頭痛

稀ですが、激しい痛みを引き起こす頭痛として群発頭痛があります。症状は片側の目の奥に千枚通し(またはアイスピック)で刺されたような、目をえぐられるような激烈な痛みが起きます。痛みは数分から3時間ほど続きます。
頭痛の発作は2日に1回から1日に数回で、しばしば夜間の睡眠中に起こります。発作はある期間に集中して起こり、いったん起きると1~2か月の間ほぼ毎日のように繰り返し痛みが発生します。痛みのため、片頭痛のように暗い静かな部屋で寝込むことはできず、激しい痛みのためにじっとしていることができなくなります。こうした発作が起こる時期は数カ月程度で治まります。ただし、また数か月から数年後に再び生じます。慢性化することも稀にあります。 発作時には頭痛があるのと同じ側の目の充血、涙が出る、鼻詰まりなどの自律神経症状を伴います。これは片頭痛などとの鑑別に役立ちます。頭痛の原因については脳の視床下部視交叉上核にある体内時計が乱れることで、目の奥の血管に異常が生じて頭痛が起こると考えられています。アルコールの過剰摂取、喫煙、不規則な睡眠などが頭痛を誘発するため、群発期にはこうしたことに注意することが重要です。治療は片頭痛と同様に頓服のトリプタン製剤の服用(激烈な場合にはトリプタンの自己注射)、ベラパミルなどの予防薬の服用、さらに在宅酸素療法があります。

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛とは、月に15日以上起こる頭痛があり、頭痛薬を3か月以上、1カ月に10-15日以上内服しており、頭痛が悪化している状態と定義されています。頭痛持ちの人は、例えば今日は大事な用事があるのでとりあえず痛くならないように薬を服用しておこうという行動をとる方がいます。そうして薬を服用しているうちに薬の量が増えていき、やがて毎日のように薬を飲むようになり、飲む量が増えていくうちに脳が痛みに敏感になり、薬も効きにくくなって、通常は感じないレベルの痛みでも強く感じるようになってしまっている状態と考えられています。頭痛大学では警備員(ガードマン)のたとえで次のように説明しています。「頭痛がすると、痛みをガードする自らがもつ警備員では手に負えなくなると、派遣のガードマン(鎮痛薬)を頼りにします。ただ、派遣の警備員である鎮痛薬を飲みすぎると、もともと脳に駐在する痛みの警備員がさぼり始め、自分達が楽をしたいがために、すぐ派遣のガードマン(鎮痛薬)をよこせと騒ぐのです。それでますます鎮痛薬を飲んでしまうのです。その結果かえって痛みに敏感な状態が作り出されるのです。」と記載があります。まず日常で過剰に服用している頭痛薬は効いているのではなく、かえって頭痛を悪化させているのだということをきちんと理解していただくことがまず大事です。片頭痛が基盤となっている場合には、片頭痛の予防薬が有効です。

二次性頭痛
可逆性脳血管攣縮症候群

頭痛の強さを表す表現として、雷鳴頭痛という、急性発症の激しい痛みがあります。突然今まで経験したことのない強い頭痛で、一番知られているのはクモ膜下出血でしょう。多くの場合、血管に瘤がありそれが破裂することにより起きます。命にかかわる病気なので、救急車で脳神経外科がある病院にできるだけ早く運んでいただくのがベストです。しかしながら、担当医よりCTをとり「出血はありませんでした。」ということで、帰宅になることがあります。 その雷鳴頭痛をきたす病気で知っておくべき可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群((Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome: RCVS、以下RCVSとします)がございます。頭痛のきっかけは入浴、トイレ、運動、いきむ動作などにより急に激しい頭痛が誘発され、繰り返し起きるのが特徴です。MRIで頭蓋内には明らかな出血はなく、MRA(脳血管撮影)で動脈瘤もありません。ただ脳血管がところどころ縮んでいる(攣縮)所見がみられます。ただ、発症後ごく初期にははっきりと縮んだ所見が見られないこともあり、1回の検査で正しい診断ができるとは限りませんので、繰り返し検査を受ける必要があります。一般的にRCVSで繰り返す頭痛は数週間続き、MRAでの血管攣縮も3か月ほどで元に戻ります。注意しておくべきは、経過中に脳内出血、脳梗塞などを併発することがありますので、数か月間は数回のMRIとMRAで注意深く診る必要があります。片頭痛は血管の拡張が一因ですが、RCVSのように血管が縮むのも頭痛の一因となりえますので、頭痛の原因は複雑です。治療は片頭痛の予防薬(ロメリジン)と痛み止めとしてインドメタシンファルネシルを服用していただきます。

くも膜下出血

突然、頭をハンマーで殴られたような痛みがおきます。今まで経験したことのない痛みが、急に起きた場合には、この病気を考える必要があります。原因は多くの場合は脳の動脈にコブがあり、それが破裂しておきます。痛みの程度は出血の程度により様々で、当院の外来で頭痛にて受診され、よく聞くと急にガーンと痛くなったというエピソードあり、検査にて脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血がわかり手術となった患者さんが数名います。急な頭痛の場合は、痛みの程度が大したことがないので様子見ようとは思わず、すぐに受診されることが大切です。

椎骨動脈解離

脳を栄養する4本(左右2対で頚動脈と首の後ろ側を走る椎骨動脈があります)のうち、脳幹部、小脳を主に栄養する血管が椎骨動脈です。稀にこの血管壁が何らかの原因で急に裂けると、後頭部やうなじ周辺に経験したことがない強い痛みが生じます。裂けた血管壁が血管を詰まらせ脳梗塞をおこしたり、くも膜下出血を起こすこともあります。普段は頭痛持ちではないのに、後頭部付近に急に痛みを覚え、仕事や家事を休まなければならないほどであればすぐにでも受診をお薦めします。

慢性硬膜下血腫

転倒したりして、頭をぶつけた後に1-2か月たってから少しずつ脳と硬膜の間に血がたまる病気が慢性硬膜下血腫です。特に加齢などで脳が縮み隙間ができてくる70歳以上に多く見られます。打撲の程度は強くぶつけたというわけでもなく、こつんとぶつけた程度でもおきえますので、頭重感が取れない、すこしずつ強くなってくるなどの症状がありましたらためらわず受診してください。

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